東急電鉄は、首都圏の鉄道事業者で初となる「クレジットカードのタッチ決済」の実証実験を来年夏から開始すると発表しました。Visaのタッチ決済を始め、各ブランドのタッチ決済に対応する予定です。
すでに近畿で京都丹後鉄道や南海電鉄、九州で福岡市営地下鉄などが導入して、地道に成果を上げています。バス事業者でも多数。
今後、PASMO等、交通系ICカードとのすみ分けがどうなっていくかに注目です。Felicaは特許に伴う使用料が高いため、中小事業者の足かせになっており、タッチ決済への流れはJR東日本やソニーへの反発とも考えられます。私鉄最大手の東急電鉄が乗り出す意味は決して小さくないはずです。
インバウンドの再開を大義名分に掲げ、なだれ式に交通決済の分野でもグローバルスタンダードへ転換していく事業者が増えていくことでしょう。諸外国ではクレジットカードのコンタクトレスが一般的ですから。
わが国では「タッチ決済」。どうにも齟齬がある表現です。こういうところが鎖国的。異国の方々は、contactlessなのにtouch?と訝しがるとか。
私は5年ほど前からマレーシアやシンガポールでVisa Paywave(当時)やMastercard Contactlessを使って、利便性を実感していたものです。当時は国内発行の対応カードが少なく、住信SBIネット銀行のVisaデビット付キャッシュカードや楽天銀行デビットカードで試していました。
Mastercard Contactlessで乗車すると、KLIAエクスプレスで割引があったりしたんですよね。
SuicaやPASMOの終焉の始まりなのか、それともガラパゴスとの共存の始まりなのか、引き続き注視していこうと思っています。