【国境】羅湖口岸

昨日のブログで香港やマカオについて触れました。コロナ禍以前は、2か月に1回のペースでアジア諸国を回っていました。とくに珠江デルタ界隈をうろちょろすることが多かったです。そのせいか、ずいぶんと陸路国境に詳しくなりましたので、今回はその一つ、 羅湖口岸 をご紹介したいと思います。「口岸」とは元来、港を意味する中国語ですが、現代では国境検問所の意味で使われています。日本語で同音の睾丸とは非なるものです。厚顔でもありません。

 

羅湖口岸は、香港と深圳の間に位置する15(2020年現在)の出入境検査場の一つです。陸路では7か所のうちの一つです。中国で最大規模の出入境検査場であり、世界で最も人流の多い国境でもあります。中国と香港の関係性を考慮すると、「国境」という表現が正確かどうかは議論の余地があるところですが、ここで深く論じることはしません。文中、ご賢察いただきたく。

 

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羅湖口岸(深圳側)

 

香港側は香港地下鉄(MTR)東鉄線羅湖駅のみから入ることができます。羅湖駅周辺は非武装地帯(朝鮮半島のように物騒ではありませんが)になっており、駅外へ出ることはできません(緩衝地帯に入ると罰金)。つまり、この駅に来ちゃったら、中国(深圳側)に入境するよりほかに手立てがないという、ちょっと厄介な駅なのです。パスポートを持っていないと大変なことになります。平和ボケした日本人にはイメージできないかもしれません。

 

深圳側は深圳駅前広場になっており、地下鉄、バス、徒歩での移動が可能です。つまり、深圳側はイミグレーションの手前で引き返すことができるわけです。ホテルにパスポートを置いてきちゃった、取りに戻ろっか、が可能です。が、香港側はそれができません!

 

羅湖口岸の出入境開放時間は、6時30分~24時00分。24時間営業ではありません。朝の開放と同時に、深圳から香港へ通勤・通学する人の群れで大変な混雑になります。祝日も大混雑します。私の経験では、ここの通過に最大2時間半を要したことがあります。おかげで、香港国際空港でのチェックインに間に合わなかった、という苦い思い出が。。。もっとも、混んでいなければ、15分程度で通過できますが、世界一、通過時間が読めない国境であることは間違いないところです。

 

羅湖口岸から香港国際空港へは、出境後、東鉄線で次駅の上水まで行き、A43バスに乗り換る、というコースが最短で一般的です。このルートは運賃も最安で、MTRがHKD24.8、バスがHKD30.9の、計HKD55程度です。高速道路が渋滞していなければ(渋滞する区間ではない)、1時間半以内で羅湖から空港まで行けるかと思います。

 

さて、深圳側の深圳駅前広場には、羅湖商業城というショッピングモールがあるのですが、ここは一見の価値あり。パチモンと呼び込みのオンパレード! 中国四千年の悠久の歴史とパワーが凝縮されたような場所です。中国人の生命力の凄まじさを、これでもかとばかりに、まざまざと見せつけられます。

 

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羅湖商業城

 

モール内はコピー商品であふれかえっていますが、普通に食事ができる店(美味しくない!)や漢方薬を売っている店(原価が不明!)もありますし、マッサージ店(やたらに痛い!)も多いです。①ぼったくられないこと ②値切ること の2点に自信があれば、あなたもりっぱに中国で暮らしていけます。

 

今後、ちょくちょく国境紹介の記事もアップしたいと思っています。いつの日か、また自由な往来ができることを楽しみに。

【デビット】HSBC Mastercard Debit Card

2000年代半ば、個人投資家の間に“海外で銀行口座を開設しよう”ブームが起こりました。その仕掛け人の1人が私でもあります。当時、香港経由で海外の金融商品を買い、ついでに香港の銀行に口座を開設する、という内容のツアーを企画し、国内投資に飽きている投資家や経営者をアテンドしました。

 

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香港上海銀行本店

 

多くの方々が香港上海銀行HSBC)、あるいはスタンダードチャータード銀行あたりに口座を開設しましたが、そのほとんどがメンテナンスを怠り、放ったらかしの塩漬けになっていると聞いています。時折、アテンドした方々から思い出したように連絡があり、ATMカードが使えない、暗証番号が分からなくなった、みたいな相談があります。おそらく口座が凍結になっていて、ATMカードやネットバンキングが使えない状態にあるのでしょう。

 

昨年末、HSBCは HSBC Mastercard Debit Card を発表し、今年1月からアプリやネットバンキングで申し込みが可能になりました。到着までのプロセスを振り返るとともに、このカードの特長もご紹介したいと思います。

 

www.hsbc.com.hk

 

実際にアプリで申し込みが可能になったのは、1月下旬か2月上旬だったようです。

 

2月4日(木)  アプリから申し込み

2月12日(金)  カードが国際郵便で到着。アクティヴェーション

4月13日(火)  PIN記載のDMが国際郵便で到着

 

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HSBC Mastercard Debit Card

 

カード自体のデザインは秀逸(↑)。HSBCライオンがプリントされています。ターコイズブルーに近いが基調で、当節流行りの縦型。カード番号や有効期限は裏面に記載。加えて、Mastercardのグレードは、上から2番目の「world」です。そのせいか、表面のMastercardのロゴマークは、オレンジの二連ではなく、の二連です(←プラチナやブラックに採用されているやつね)。Mastercard Contactlessも搭載されており、Google PayやApple Payでも使えます。

 

カード自体は1週間強で届きましたが、PINが届いたのは2か月後。。。

 

アクティヴェーションに失敗したのかと思い、何度もHSBCにチャットで問い合わせました。担当者の説明は、「郵便が途中で消失した可能性がある。PINは店舗でしか再発行できない」というもので、この状況下で渡航できるわけねぇだろう~、と東京の中心で愛(不満!)を叫んでいました。

 

すっかりあきらめ、忘れかけたある日、唐突に国際郵便が届いたわけです。何でもコロナの影響で国際郵便が船便になっていて、香港~日本間は通関手続きを含め2か月程度かかるとのこと。もちろん、日常的に使うカードではありませんが、発行から2か月も使えない状態のまま放置プレイとは、国内の金融機関だったら大事件です。

 

海外投資に携わる者は、こういう大陸的な「時の流れに身をまかせ、あなたの色に染められ」なければなりません。

 

さて、このカードの特長に移ります。

 

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1.マルチカレンシー口座

 

 HKD=香港ドル

 USD=米ドル

 GBPイギリスポンド

 JPY=日本円

 RMB人民元

 EUR=ユーロ

 THB=タイバーツ

 AUD=オーストラリアドル

 NZD=ニュージーランドドル

 SGDシンガポールドル

 CAD=カナダドル

 CHF=スイスフラン

 

12通貨に対応しています。為替レートに合わせ、有利な通貨で決済できます。両替はアプリでできますので、暇な方は時々のレートで決済通貨を変えて使うことが可能です。

 

2.為替手数料なし

 

上記12通貨間の口座内振替が無料でできます。

 

3.HSBCのATMでキャッシング手数料なし

 

日本国内で恩恵を受ける機会は少ないですが、海外において、HSBCのATMで現地通貨を引き出す際、キャッシング手数料は無料です。

 

4.決済時に0.4%のキャッシュバック

 

還元率は小さいですが、デビットカードとしての決済時に0.4%のキャッシュバックがあります。

 

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私の場合、日常的に使うカードではありませんが、月1回はATMで残高照会を行っています。海外渡航が制限されている現在、メンテナンスだけは怠らないように。発行した方は、凍結されないように、マメに残高照会や引き出しを実行してください。デビットカードになったのですから、たまに店舗の買い物で使うのもいいでしょう。

 

コロナ禍以前、海外旅行時は旧世代のATMカード(↓)を意識して使っていました。旧カードには銀聯(Union Pay)と易辨事(EPS)が附帯されていましたので、マカオのカジノなんかで便利に使えたんですよね。このカードでチップを買い、ゲームで勝った分は香港国際空港のATMで口座に入金し、次回の軍資金としてプールしたり。

 

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HSBC ATM Card


早く渡航制限が解除になり、新カードでカジノに突撃できる日が待ち遠しいです。新カードはマルチカレンシーですから、チップ購入時に通貨を選ぶ必要もありませんしね。 

 

海外投資を試みる者は、第一に、マメでなければなりません。「マメな男はモテる」とはよく言ったものですが、お金にモテるにもマメでなければならないようです。ズボラな性格の人は投資に向かないと思います。

 

第二に、海外投資は長期分散が基本ですから、せっかちな方は向かないと思います。「短気は損気」とぞ申します。寛容な心で、自分に有利な風を待つことです。せっかちな方は、国内でハイリスクハイリターンな商品を探しましょう。

 

投資は、自分の性格に合う商品と長く向き合う気持ちで行うもの。投資に限らず、金融サーヴィス全般に共通することかもしれません。己を知ることが投資の第一歩と言えるでしょう。

 

以上、HSBC Mastercard Debit Cardのご紹介でした。

【ポイント】〈auユーザー向け〉au PAY × Revolut × d払いで高還元

金利政策が長引いている現在、預金利息が頼りにならない以上、カード(クレジット、デビット、プリペイド)やポイントを駆使して、ポイントの高還元を狙う方が多いことと思います。消費を刺激するうえでもポイント付与の効果は大きく、各社はキャンペーンに躍起になっています。

 

www.au.com

 

キャッシュレスにスマートフォンが必須である以上、ポイント還元の恩恵を受けるには、キャリアとの通信契約がカギになるわけですが、最高水準の還元率を実現する方法について、auユーザーである私のケースをご紹介したいと思います。

 

私の場合、

 

au PAY ゴールドカード → au  PAY プリペイドカード → Revolut → d払い

 

というルートで、d払いを出口にしています。

 

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au PAY プリペイドカード

 

このルートで実現できる最高還元率は、

 

2.0%(auゴールド) + 0.5%(auプリペイド + 0%(Revolut) + 0.5%(d払い) = 3.0%

 

であり、その内訳は、Pontaポイントが2.5%、dポイントが0.5%です。

 

auユーザーの場合、現行のカードやQRコード決済の組み合わせでは、この形が最高還元率になると思われます。このルートには、 ①クレジット→プリペイド ②プリペイド→デビット とチャージを2回行う手間はありますが、端数の取りっぱくれを阻止できるというメリットがあります。いずれのチャージもスマホアプリで数秒で完結しますので、慣れてしまえば簡単です。

 

出口のd払いでは端数が発生することになりますが、こればっかりはどうしようもありません。d払いは200円で1pの還元ですので、200円単位に満たない決済においては、端数は切り捨てられます。

 

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d払い

 

注意したいのは、au  PAY ゴールドカードにおけるチャージの還元率は、月5万円までが2.0%(上限1,000p)ですが、それ以上は1.0%に落ちてしまう点です。ですから、最高還元率3.0%を実現できるのは、月5万円(計1500p)までということですね。5万円超の部分は、1.0%+0.5%+0%+0.5%=2.0%です。しかしながら、毎月5万円のチャージを続けるだけで、年18,000pの獲得は決して小さくないはずです。

 

QRコード決済の導入店舗が急速に増えていますので、都市部では今や、ほとんどの機会にd払いで決済できます。このルートは入口がauでありながら、出口はライヴァルのdocomoとなるのが、何とも皮肉な話です。

 

以上、高還元を狙うauユーザー向けの秘策をご紹介しました。

【クレジット】三井住友カード ゴールド(NL)

クレカマニアの間で絶賛拡散中、 今月1日ローンチの 三井住友カード ゴールド(NL) 。

 

www.smbc-card.com

 

私は持っていませんが、今、注目度No. 1のクレジットカードと言っても過言ではないでしょう。

 

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三井住友カード ゴールド(NL)

 

パートナーが「三井住友カード(NL)」から切り替えてくれたので、それを参考にレポートします。

 

まず、秀逸なデザインに目を惹かれます。(ハイスペックカードを除き)庶民派カードの中では抜きん出ています。好みの問題ですが、ベース(↑左)のほうがいいですね。同じく今月1日にリニューアルでローンチの「三菱UFJカード」(三菱UFJニコス)に比べると、2周先を進んでいます。

 

次に、本年9月30日までの入会で初年度年会費無料。加えて、初年度100万円以上の利用で永年年会費無料。固定費の決済を本カードに集中させれば、ほとんどの方がこの条件をクリアできるものと思われます。さらに、毎年100万円以上の利用で、10,000ポイントがもらえます。

 

本カードはナンバーレスですから、券面に会員名、会員番号、有効期限などの個人情報は一切ありません。都市部において、もはやカード実物を出すシーンは少なくなってきましたが、キャッシュレスの潮流を知らない店員さんには驚かれるかもしれません。また、カード情報の確認等は、すべてVpassアプリでの操作になりますので、ITリテラシーの高い方向けです。発行元の三井住友カードは、ターゲティングが明確なのでしょう。

 

Vポイントの基本還元率は0.5%ですが、Visaのタッチ決済を全面に押し出しており、主要コンビニ3社で5%還元キャンペーンを実施しています。マクドナルドでは20%還元です(7月21日まで)。iDでは2.5%に下がりますので、なるべくVisaのタッチ決済を使いましょう。個人的な感想ですが、Google PayよりApple Payと相性がいいように感じました。

 

旅行保険や補償等は並ですが、年会費実質無料、ポイント還元、デザインの三位一体を実現している点で、時代の空気感に見事に対応したカードになっています。本年度のカード・オブ・ザ・イヤーで間違いないでしょう。

【クレジット】au PAY ゴールドカード

私はセルラー時代から30年弱のauユーザーです。当然、au PAYも2014年のローンチから使ってきましたが、先月、クレジットカードを見直し、au PAY カードをノーマルからゴールドへ切り替えましたので、そのプロセスを振り返ってみたいと思います。

 

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au PAY ゴールドカード

 

最初に、切り替えの理由ですが、分散していたポイントをPontaに集中させることにしたうえで、獲得できるPontaポイントの損益分岐点を計算したら、ノーマルよりもゴールドに軍配が上がった、ということに尽きます。

 

au PAY (プリペイド)へのチャージで+1%となること

auの月額利用料で+10%となること

 

この2点だけで年会費11,000円の元が取れる計算になりました。

 

ここ10年ほど、ポイント還元を重要視していたため、年会費有料のクレジットカードに費用対効果のメリットを見出せなかったのですが、メリットが明確になれば、見直しにやぶさかではありません。早速、au PAYアプリでノーマルからゴールドへランクアップの手続きを行いました。

 

6月22日(火)    23時30分  au PAYアプリからランクアップの申し込み

同 23時45分  「受付完了」を受信

7月1日(木)    11時01分  「カード発行」を受信

7月4日(日)    昼  簡易書留で受取

 

発行殺到期でもないのに、12日間かかっています。楽天カードなんかに比べると、スローモーですな。しかも、受け取ったカードの台紙を見ると、限度額がノーマルと変わりません。ゴールドデスクに確認したところ、前回の増額から半年を経過していないので、8月までお待ちください、との説明を受けました。このあたりのオペレーションは三菱UFJニコスらしく手堅い感じです。

 

ちなみに、au PAYにおいて、クレジットカードの発行元はauフィナンシャルサービスですが、業務委託先は三菱UFJニコスです。ですから、審査や発行のインフラは三菱UFJニコスが提供しています。お家事情から察するに、mc〜UFJMUFGの部門が担当しているものと思われます。DC、NICOSではないようです。勝手ながら、旧・東海三和の系譜に位置する準銀行系カードに定義づけたいと思います。

 

カードのデザインですが、ノーマルのほうが好みです。個人的な趣味ですが、金色ではなく、銀色のほうが好きだからかもしれません。ノーマルに戻したいな。

 

ブランドはノーマル同様、VISAのままなんですが、Visaのタッチ決済は搭載されていません。ライヴァルのdカード(業務委託先:三井住友カード)に比べると劣ります。このあたり、三菱UFJニコスは周回遅れの感があります。au PAYのQRコード決済に誘導したくて、あえてNFCを搭載しないのかもしれませんが、グローバルスタンダードではないですね。QUICPayにも非対応で、エンボスレス、ナンバーレスでもありません。早急に実装してほしいです。

 

いずれにしても、このカードはau経済圏での利用のみになるでしょう。楽天カードの運用と同じですが、違いがあるとすれば、こちらには国内の空港ラウンジ特典があるので、一応、カードホルダーには入れて持ち歩くことですかね。こうして、カード会社の囲い込み戦略にまんまとはまっていくわけです。(カード会社から見た)優良会員ということです。

 

以上、au PAY ゴールドカードへのランクアップでした。