【アプリ】Google メッセージ

Google メッセージというメッセージアプリがあります。Pixelのユーザーはご存知でしょうが、一般には知られていません。私もPixel 7 Proのユーザーですが、このアプリは使っていません。

 

Google メッセージ

 

先日、KDDIが今後、このアプリをAndroid端末に標準搭載する予定であることを発表しました。

 

newsroom.kddi.com

 

iPhoneユーザーであれば、iMessageを使っている方も多いことでしょう。簡単に言えば、Google メッセージは、Android OSにおけるiMessageのようなものです。

 

support.apple.com

 

ただし、両者が決定的に違うのは、iMessageがiPhone間(iPad含む)のみで送受信可能な、ローカルプラットフォーム内のサーヴィスであるのに対し、Google メッセージは、全世界で200社以上が加盟するGSMA(GSM Association)で標準化された、RCS(Rich Communication Services)であるという点です。Googleメッセージを使えば、世界中のユーザーとメッセージのやりとりが可能になるわけです。

 

blog.google

 

わが国においては、圧倒的にLINEが優勢です。また、大手キャリア3社の共通アプリである+メッセージもあります。いまだにSMS、いわゆるガラケー時代からのショートメールしか使わない人も多いです。

 

www.docomo.ne.jp

 

そのような状況下、どれほどの人がRCS仕様のアプリに移行するかは未知数ですが、グローバリゼーションの流れの中で、通信と決済が一体化し、個人情報保護等のセキュリティ面を含め、世界標準に合わせていかざるを得ないのがキャリアの本音です。まさに、ボーダーレス、シームレス、キャッシュレスの時代への対応が必須なのです。

 

同時に、LINEへの一極集中を阻止したい思惑も見え隠れします。LINEはソフトバンクの傘下になりましたが、いずれPayPayと結びついて、ライフラインのアプリとして必要不可欠なものへと進化を続けていくことでしょう。既に、LINEなしでは生活できない“LINE中毒者”が巷にあふれかえっています。他キャリアにとって、LINEの独り勝ちは、都合が悪いわけです。

 

今年度中に、アップルのiMessageもRCSに対応する予定です。つまり、Google メッセージとiMessageの相互接続が実現するものと思われます。アップルの英断により、いずれAndroidiPhoneの垣根が取り払われ、相互に無料でメッセージを送受信できるようになることでしょう。プリインストールのアプリで自由にメッセージのやり取りが可能になり、LINEを使わなくてもよい時代が来るのです。

 

9to5mac.com

 

その時、ユーザーはどちらを選ぶのでしょうか。

 

さらに、OSを提供する2大プラットフォームがRCSで接続すれば、Google メッセージの存在意義が高まり、+メッセージのそれが下がるのは当然のことです。ほぼAndroid専用で、かつ大手3キャリアのユーザー間に限られる+メッセージより、シームレスなGoogle メッセージに軍配が上がることでしょう。LINEのみならず、+メッセージもその存在意義を見直されることになります。今回のKDDIの判断は、そのような状況を見越してのことかもしれません。あるいは、その状況を作り出すための布石なのかもしれません。

 

さて、どうなるでしょうか。